大学院工学研究科の学生および長谷亜蘭 准教授がTSME-ICoME 2025 Best Paper Awardを受賞
本学大学院工学研究科 機械工学専攻 博士前期課程(M1)の平井 悠翔さんおよび工学研究科 長谷亜蘭 准教授が、12月9日~12日にタイ バンコクで開催されたThe 15th TSME International Conference on Mechanical Engineering 2025(TSME-ICoME 2025)において研究成果を発表し、TSME-ICoME 2025 Best Paper Awardを受賞しました。
タイ機械学会(TSME)は、1987年の設立以来、機械工学の様々な分野における研究者、学者、産業専門家を結集するため、年次大会を開催してきました。これらの大会は、知識の交換を促進し、技術進歩を推進し、持続可能な産学ネットワークを構築することを目的としています。
2010年にTSME国際機械工学会議(TSME-ICoME)を初めて開催し、米国機械学会(ASME)、日本機械学会(JSME)、韓国機械学会(KSME)などの主要な工学団体と協力して、その視野を国際的な舞台へと拡大しました。TSME-ICoMEはその後も成長を続け、アジア、ヨーロッパをはじめ、中国、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ドイツ、オーストラリアなど、世界中の機関や研究者からの支援と参加を得ています。
現在では、TSME-ICoMEは、画期的なアイデアの交換、研究革新の発表、そして世界の機械工学コミュニティ間の連携構築のための主要な国際プラットフォームとしての役割を果たしています。
今回、「In Situ Diagnosis and Evaluation of Wear State for Sliding Electrical Contacts Using Acoustic Emission Sensing」について講演発表を行いました。
この研究では、材料の変形?破壊時に発生する弾性応力波を検出するアコースティックエミッション(AE)センシングを活用して、水分介在時の通電摩耗とAE信号変化の対応関係について調査を行い、AE信号の周波数変化から摩擦界面の複雑な摩耗状態を診断?評価できることを明らかにしました。
本賞は、10分野ある中のApplied Mechanics, Materials and Manufacturing分野におけるベストペーパーとして授与されました。

長谷准教授(写真右)と平井さん(写真左)

平井さんのコメント
今回、初めて国際学会に参加し、論文の執筆や発表スライドの作成において試行錯誤を重ねる中で多くの困難もありましたが、 指導教員である長谷亜蘭 准教授のご指導のもと、無事に成し遂げることができました。本学会での経験は、私にとって大変貴重なものとなりました。
これまで取り組んできた研究に対し、このような賞をいただけたことを、大きな喜びとしております。
本成果は、長谷亜蘭 准教授の熱心かつ丁寧なご指導の賜物であり、心より感謝申し上げます。
今回の受賞および学会で得た経験を大きな励みとし、本分野のさらなる発展に貢献できるよう、今後も研究活動に一層尽力してまいる所存です。
長谷准教授のコメント
本研究では、学生が国際会議という高いハードルに挑戦し、論文執筆から発表までを主体的に経験した点に大きな教育的価値があると考えております。研究を進める中で、学生は多くの課題に直面しましたが、その都度議論を重ね、試行錯誤を通じて着実に研究力と発信力を身につけていきました。
今回の受賞は、研究成果そのものに加え、こうした学びと成長のプロセスが評価された結果であり、教育者として大きな喜びを感じております。
本経験を今後の教育活動に還元し、学生が早期から国際的な研究舞台で活躍できる環境づくりに努めてまいります。